人形劇は娯楽、人形劇は芸術
「いいだ人形劇フェスタ2018」が2018年8月3日(金)から12日(日)の10日間にわたって開催されることが決定しました。さらに今回は“人形劇のまちが生まれて40年“を記念して「世界人形劇フェスティバル」が併催されます。
世界の多くの国には、それぞれの歴史や文化が育んだ独自の人形劇があります。人の生活を和ます娯楽として発展し、芸術性を突き詰めた人形劇も新たな広がりを見せています。
今年のフェスタには世界の各地域から16カ国、24組の海外劇団が参加予定(4月現在)。絶対に見逃せない人形劇が、いいだ人形劇フェスタにやってきます。
海外の参加劇団(予定)
今年のフェスタは海外劇団に注目!飯田から世界へ。
ヨーロッパの人形劇
アルファ人形劇場(チェコ)
作品名/三銃士
三銃士の物語を55分にまとめました。ハンドパペットの軽快な演技、からくり、小気味よい場面転換、楽師の生演奏など人形劇ならではの面白さをたっぷり詰め込んだ名作です。言葉がわからなくても大丈夫。人形たちの見事な演技が壮大な物語の全てを伝えます。
ジャンルーカ・ディ・マッテオ(イタリア)
作品名/ナポリの人形劇プルチネッラ
イタリアではプルチネッラ、イギリスではパンチ、ドイツのカスペル、ロシアのペトルーシカ…。ヨーロッパ各地で庶民に愛されてきた古典的な人形劇です。愉快でリズミカル、ちょっと乱暴者だけど、温かい人間性も醸し出します。あらゆる世代が楽しめる人形劇です!
ステファン・ブリン(ドイツ)
作品名/ステファン・ブリンの寄席人形劇場
ステファン・ブリンはドイツのカールスルーエに暮らす操り人形師です。ピアニストにバイオリニスト、歌手にダンサー、道化師、奇術師、ボディービルダー…。ブリンの演じるキャバレーショーは、それが人形だということを忘れて夢中になってしまいます。
バーバラ・メロワ(フランス)
作品名/Meeting with a Puppeteer
飯田市と友好提携を結んでいるシャルルヴィル・メジェール市からの推薦アーティストで、同市の人形劇国立高等学院の卒業生です。家庭で用意できる身近でありふれた素材が、瞬く間に幻想的な世界を作りあげます。今回は彼女がこれまで作り上げてきた演出の数々が繰り広げられる作品「Meeting with a Puppeteer」を上演します。
ヌーメン・カンパニー(ドイツ)
作品名/マント
2015年のシャルルヴィル・メジェールの世界人形劇フェスティバル参加作品から原田実行委員長が推薦する作品です。ドイツのヌーメン・カンパニーによる、人形と歌手のための演劇。影、光、沈黙、そして音楽が神秘的な世界を作り出します。新しい人形劇芸術の世界をご覧ください。
サンクトペテルスブルグ・プラスティック・ハンド・シアター・ハンドメイド(ロシア)
作品名/楽しい時間
大空に羽ばたく鳥、恋人たち、波、乗り物…。まるで黒いキャンバスに白い絵の具で絵を描くように、俳優たちの手と腕の動きが、空中に様々な風景を描き出し、物語を紡いでいきます。台詞はありません。世界中の観客を魅了しているパフォーマンスです。
東アジア・東南アジアの人形劇
新興閣掌中劇団(台湾)
作品名/孫悟空大戦紅孩児
台湾伝統布袋戯の名人鐘任壁氏が率いる新興閣掌中劇団は、人形師の家系5代200年の歴史を誇る、台湾を代表する布袋戯劇団です。壺回しや皿回しなどコミカルなパフォーマンスから西遊記の迫力の演技まで、片手遣いの華麗な技術を存分にお楽しみください。
クムソル複合芸術研究所(韓国)
作品名/鏡よ鏡
クムソルは、2008年の韓国アシテジ大会でデビューし、最優秀作品賞など4部門で受賞しました。子どもと大人が一緒に見られる作品づくりがこの劇団のモットーです。グリム「白雪姫」の初版版を脚色した作品「鏡よ鏡」を上演します。美しい韓国語の語りをぜひお聞きください。
劇団マルハン(韓国)
作品名/ちびチャンソンの家出記
劇団マルハンは民衆の娯楽として行われるマダン劇の劇団です。「ちびチャンソンの家出記」を韓国の伝統楽器の演奏にのせて陽気にお送りします。村々の境に立つトーテムポールのような木像「チャンソン」や、家々を守る木彫りの鳥「ソッダエ」が出てくるお話です。
飛鵬木偶團(香港)
作品名/中国の伝統人形劇
中国の伝統人形劇から4つの代表的なスタイル、提線木偶(糸あやつり人形)、杖頭木偶(棒遣い人形)、布袋戯(片手遣い人形)を紹介します。棒遣い人形の優雅な舞、片手遣い人形のユーモラスな曲芸、可愛いおさるの糸あやつりなど、小作品のオムニバスです。
北アメリカの人形劇
プチ・アーム劇場(カナダ)
作品名/POMME-りんごの話
足があったら歩けるのに。翼があったら飛べるのに。でもりんごは転がるだけ。木から落ちて怪我をして。もううんざり。でも、りんごはりんご。外の世界に踏み出して成長していくりんごの話です。この作品はチェコのフェスティバルでグランプリを受賞しました。
南アメリカの人形劇
David Zuazola(チリ)
作品名/時間のゲーム
ポーランド、ポルトガル、台湾、ギリシア、スペイン、コロンビア、インド。7つの国の7人の演出家による7分の短編7本を上演します。アイデアもスタイルも異なる7つの短編を1本にまとめるのはチリ出身の人形遣いDavid Zuazola。今年最もインターナショナルな人形劇です。
アフリカの人形劇
クリスタル・パペティアズ(ケニア)
作品名/Tears By The River 〜ゆうかんな猿のはなし〜
飢饉で仲間を失った猿のリベンディが、食料と水を求めて旅に出る勇敢な猿の物語です。彼の旅は悲しい結末を迎えますが、森の動物たちは彼の勇気を讃えます。アフリカン太鼓の演奏にのせて様々な動物たちが様々なタイプの人形で登場します。
西アジア・中東の人形劇
ヤセ・タマム(イラン)
作品名/Count to One
どこにも属さない3人の兵士。彼らは街の爆破という任務を放棄した。彼らが任務を遂行しなければ、彼等は街もろとも標的になるだろう…。雨が降り出し、砦を覆う土が粘土となる。兵士たちは粘土から様々なキャラクターを生み出し、物語を語りはじめます。
国際共同制作・友好提携交流事業等
クルガン人形劇場ガリバー(ロシア)
作品名/かぐや姫
日本とロシアの国際共同制作作品です。日本からは西村洋一(演出)、黒谷都(人形演出)、渡辺数憲(人形・舞台美術)が参加、クルガン人形劇場が演じます。台詞は一切ありませんが、言葉では伝えられないようなことまでが伝わる、繊細で力強い表現力のある作品です。
日本ポーランド共同制作作品
作品名/冬からはじまる物語 <Pory Roku>
いいだ人形劇フェスタとテアトロ・アニマツィ(ポーランド・ポズナン市)の共同制作で生まれた作品です。様々な色と大きさの三角形を使ってポーランドの四季を表現します。
出演:テアトロ・アニマツィ、ましゅ&Kei。構成・演出:くすのき燕(人形芝燕屋)
日本の参加劇団(予定)
日本の劇団も負けてない!多種多様な劇団が勢ぞろい。
糸あやつり人形劇団みのむし
作品名/『怪談・幽女執念』(おそろしやおんなのしゅうねん)
「四谷怪談」のお岩さん、「皿屋敷」のお菊さん、「牡丹灯篭」のお露さん。三大幽霊スターが、寂れたお化け屋敷を舞台に競演します。三大幽霊の見せ場と、楽屋での男女の愛憎劇、そして意外な結末…。面白くてこわ〜い「みのむし」の創作怪談、お楽しみに!
Puppet Theater ゆめみトランク
作品名/URASHIMA、やぎのおはなし
時代とともに形を変えて受け継がれてきた日本の「浦島伝説」を、原型に忠実に、さらに新しい解釈も交えた現代の物語として描きます。 人形美術、音楽、身体表現で語る、セリフのない2作品です。2013年、アジア4か国にて16ステージを巡演し好評を得ました。
劇団ドクトペッパズ
作品名/うしのし
「ぽっかりと浮かんだ月のまんなかに心に空いた分だけ、ぽっかりと穴が空いた死んだうしのひづめにも、ぽっかりと穴がありぽっかり、ぽっかりと歩いていく音が、聞こえるようだった…」。動物と共に生き、時を重ねた人間の姿を描き出す、牛の死の物語です。
ましゅ&Kei
作品名/Kabarett×かばれっと〜いいだスペシャルバージョン〜
「Kabarett」で繰り広げられる不思議なショーです。音楽、マイム、オブジェクト、クラウニング…素顔の道化師・ましゅ&Keiのジャンルを超えたエンターテイメントを結成25年の今年、飯田だけの特別バージョン、ピアノの生演奏との共演でお届けします!
人形劇団ひぽぽたあむ
作品名/ハリネズミと雪の花
新年の前の日、親友のくまくんの病気を治すには誰も見たことのない「楽しそうの花」が必要だと聞いたハリネズミくんは寒い寒い森へ走ります。けれどどこにも見つかりません。「このままだと死んでしまう」追い詰められたハリネズミはさてどうなることでしょう。
人形劇団むすび座
作品名/ピノキオ
色鮮やかなサーカスのテント小屋を舞台に、賑やかに繰り広げられる歌・踊り・パントマイム・大道芸etc…。いたずら小僧のピノキオは、失敗しても明るく元気に冒険を続けます。もう一度ジェペットじいさんに会うために。人間の子どもになるために…。
演出:大野正雄
人形劇団プーク
作品名/エルマーのぼうけん
今年は「エルマーのぼうけん」がアメリカで出版されて70年、日本で翻訳出版されて55年の記念すべき年です。暴力が蔓延する社会のなかで、知恵とやさしさで対話しながら危機を乗り越えてゆくエルマーの勇気が私たちに生きる力を与えてくれるでしょう。
人形劇団ひとみ座
作品名/リア王
等身大の人形たちと、14名の人形遣いが演じる、シェイクスピア不朽の悲劇は、生を持たない人形だからこそ描くことができる壮絶な人間ドラマです。1988年初演以来、幾度となく再演してきた私たちの代表作、ひとみ座最大級の人形劇をどうぞご覧あれ。
かわせみ座
作品名/人形師 山本由也 Session 2018 in 飯田
独自の構造・操作法の人形で卓越した表現世界を切り開く山本由也。作・編曲、ピアノ弾き語りの音楽詩人谷川賢作。不思議楽器テルミンを自在に奏でる演奏家トリ音・櫻井。「Session」は人形遣いと音楽家が互いのアプローチで紡ぎ出すユニークな舞台表現は圧巻です。
影絵劇団かしの樹
作品名/生演奏でおくる音楽影絵劇「100万回生きたねこ」
100万年も死なないねこがいました。100万回も死んで100万回も生きたのです…。絵本の原文そのままの生語りに美しいオリジナル組曲をあわせておくります。第1部として、音楽も影絵も大好きになる楽しいコンサートを同時上演いたします。
原作:佐野洋子(講談社刊)/影絵・演出:鷹股良至/音楽:富沢恵/司会・語り:松田環/演奏:プルミエ/影絵操作:影絵劇団かしの樹
人形劇団ポポロ
作品名/14ひきのはる・なつ・あき・ふゆ 第二作《おつきみ》
世界中で翻訳されている「14ひきシリーズ」その野ねずみの家族の暮らしを通して、四季の情景ごとに作品にしています。あきのはじまりは「おつきみ」高い木の上、見晴らしのいい場所をみつけて家族みんなで材木をはこび、お月見の台のできあがり!
人形劇団京芸
作品名/うみぼうやとうみぼうず
海に住む魔物の子、わんぱく坊やの「うみぼうや」。遊びに夢中になっていたら入道雲から降りられなくなっちゃった!うみぼうやを助けるために、うみぼうず父さんや海の仲間たちが大奮闘!
セレモニー
今年もオープニングから盛り上げます!
いいだ人形劇フェスタ開幕を告げる式典「オープニングセレモニー」。今年はポスターのビジュアルにちなんで、子どもたちの絵で会場を飾ります。今回のセレモニーのために募集した年少から小学校3年生までの子どもたちの絵が、プロジェクションマッピングで会場いっぱいに映し出されます。
『僕の絵、わたしの絵もあるかな?…』ぜひ会場に探しに来てね。
式典の後は、痛快で元気が出る人形劇「てんぐとかっぱとかみなりどん」を上演します。原作は、かこさとしさん。演じるのは三重の人形劇団「どむならん」。こちらもお楽しみに!